ピッチ感・音感はサックスの演奏においてとても重要です。幼少期の音楽経験により絶対音感を習得している人は良いですが、そうでない人はトレーニングをしなければなかなか身に付きません。その第一歩をご紹介します。
絶対音感に匹敵する程の相対音感を身に付けるのは血の滲むような努力が必要ですが、ポピュラーミュージックの演奏ならば、ある程度まではそこまで難しく考えなくても大丈夫だと思います。
「童謡程度の簡単なメロディを移動ドでソルフェージュする」ことが出来るだけで、出来ない頃より遥かに上手くなります。
具体的な例を出します。例えば“メリーさんの羊”をドレミで歌います。
「ミレドレミミミーレレレーミソソー ミレドレミミミーレレミーレドー」
これを、ピアノやキーボードなどで同じメロディを弾きながら歌います。
次は、メロディを弾いて、それをよく聴き、聴いたピッチを思い浮かべながら歌います。
通しで歌うと少しずれてしまうようならば、「ミレドレミミミー」だけ弾いて聴いて思い浮かべて歌って、を繰り返したり、とにかくなるべく正確に歌えるようにします。
このとき大切なのは、『なんとなくやらないこと』です。
ピッチ感・音感は記憶で身に付くものです。そして記憶は、思い浮かべたり、思い出したり、それをアウトプット(この場合は歌う)したり、それを繰り返すことで定着します。ピアノを弾いて聴いたメロディをしっかり記憶し、思い浮かべ、歌う。これを繰り返します。集中してやりましょう。
これが出来たらキーを変えてみましょう。Cメジャーだけでなく、FメジャーやBbメジャーなど、色々試してみてください。またそれが出来たら曲を変えてみましょう。
この練習は、相対音感を身に付けるというほど大袈裟なものではありません。「ピッチや音程を気にする習慣をつけましょう」くらいなものです。なので、どんどん難易度を上げていく必要はあまりなく、Cメジャーでの“メリーさんの羊”だけでもいいので、毎日数分でも続けることです。
ピッチや音程を気にする習慣をつけることで、次のステップへ自ずと導かれるでしょう。
ピッチ:音の高さそのもののこと。音高とも言う。
音程:2つの音の高さの隔たりのこと。インターバル。
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